富山県知事選 小児医療についてそれぞれの政策は?

富山県知事選 小児医療についてそれぞれの政策は?

富山県知事選挙が10月25日(日曜)に迫ってきました。

今回は、保守分裂や女性候補の出馬といった内容が注目を集めていますが、小児医療についての政策はどうなっているのでしょうか。
それぞれの候補者の目指すビジョンを比較してみました。
貴重な一票を投じるための参考になれば幸いです。

候補者
新田 はちろう 62歳 会社役員 
かわぶち 映子 71歳 会社員   
石井 たかかず 74歳 富山県知事
(候補者情報 富山県知事選挙2020)

新田候補の小児医療に関連する政策

〇県と市町村の垣根を壊し、「ワンチームとやま」で、富山市版ネウボラの取組み-切れ目のない子育て支援-の全県展開を推進 
〇コロナ危機を踏まえ、ひとり親世帯への県独自の生活支援金給付を検討 
〇病児保育機能を有する「富山こども病院(小児医療センター)」整備に向け、県構想を策定 
〇国による不妊治療の保険適用までの間、県による不妊治療等への助成を拡充、「授かりたい人を応援する」環境づくりを推進 
〇中間層を含む世帯の第3子以降の保育料の無償化等、保育料の負担軽減に向けた措置を実施 

新田八朗の富山八策政策集2020から抜粋) 


☆ネウボラ・・・フィンランドの地方自治体が設置する母子支援地域拠点。ネウヴォ(neuvo=アドバイスする)、ラ(la=場所)は「アドバイス、助言する場所」を意味する。妊娠期間中から、産後まで子育てを一貫して支援する仕組み。日本では同様の仕組みとして子育て世代包括支援センターという取り組みがあり、県内では富山市魚津市氷見市砺波市射水市立山町入善町朝日町に設けられています。
高岡市、滑川市、黒部市、小矢部市、南砺市、舟橋村、上市町については、産前・産後から子育てまで一貫したサービスは見つけられませんでしたが、それぞれの時期に対応した取り組みがなされていました。

⇒ 保育、医療から生活支援まで、手厚いサポートをしてくれそうですね。こども病院構想については、一箇所に医療機能を集中させすぎると新型コロナ流行時のように病院機能が停止した際のバックアップが間に合わなくなってしまうので、現在ある複数の病院がそれぞれより充実した診療をできるようにしていただいた方が現場としては動きやすいように思います。

かわぶち候補の小児医療に関連する政策

〇感染リスクの高い医療、介護、保育などの現場職員については定期的にPCR検査を行い、かかりつけ医が必要と認める者にも検査を行います。
〇医療、介護、保育などの従事者に賃金の上乗せをします。
〇地域医療を担う医療機関の再編・統廃合や病床の削減に反対し、診療報酬の引き上げを国に求めます。県の事業として、市町村と協力して18歳までの医療費無料化を実現します。
〇妊産婦、心身障がい者などに対する医療費助成について、所得制限を撤廃します。

いのちの会ホームページから抜粋)

⇒ かわぶち候補は世界各国でボランティアをされていた経歴から、弱者に寄り添う優しい政策をご提案されていますね。マニフェストという形式では政策集を公表しておられないようですが、実現すればとても魅力的な内容が書かれています。

石井候補の小児医療に関連する政策

〇 県内の産科医療機関の連携による安全安心な周産期医療の提供、妊婦の相談窓口の充実や母子保健関係者の連携強化、産後ヘルパーによる家事サポートなど、切れ目のない支援を推進します。 
〇 インフルエンザによる重症化リスクが高い未就学児(生後6か月以上)を対象にインフルエンザ予防接種を助成します(令和2年度は、コロナウイルス感染症との同時流行抑制のため小学生も対象)。
〇 延長保育や病児・病後児保育など多様な保育サービスを拡充するほか、修学資金等貸与制度の拡充や処遇改善等により保育人材を育成・確保し、保育環境を充実します。 
〇 不妊治療費助成(男性・女性の両方を対象)や不育症治療費の助成により子どもを望む夫婦を支援します。
〇 妊産婦・乳幼児・ひとり親家庭に係る医療費助成に加え、国の制度では対象とならない、0~2歳児の第3子以降の保育料の原則無償化や低所得世帯の第1子、第2子の保育料を無償化・軽減します。

病児・病後児保育事業実施箇所数 現況148箇所(R1年) 目標171箇所(R6年)
医師数(人口10万人当たり) 現況267.4人(H30年) 目標270人(R6年)
看護職員数(人口10万人当たり) 現況1609.5人(H30年) 目標1770人以上(R6年)

石井たかかず政策集から抜粋)

⇒ 石井候補は4期16年の経験から、令和6年の数値目標まで立てておりとても具体的な政策になっていますね。今季のインフルエンザ予防接種の助成が役に立った方も多くおられるのではないでしょうか。小児医療に関する政策だけを見ると、目指す方向性としては、新田候補とそんなに大きくは変わらないように思えますね。

まとめ
各候補の政策を、小児医療に絞って検討しました。総じて、少子化問題を解決するために不妊治療助成や、妊娠前から子育てまでを通したサポート、第三子への手厚い補助といった点を重要視されているのがわかります。新田候補のこども病院や、かわぶち候補の定期的PCR検査といった医療現場からみると若干有効性に検討の余地があるような政策もありましたが、それぞれの候補者が富山のこどもたちのことを精いっぱい考えられていることが伝わってきます。医療の他にも、経済、環境、防災、教育、新幹線などなど検討すべき内容は多岐に渡ります。皆様の未来のためにも、納得のいく一票を投じてください。